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未登記建物の売却前に要確認?富士市の固定資産税台帳と課税責任の基本解説

不動産に税金、その他の経費

出石 世一郎

筆者 出石 世一郎

不動産キャリア15年

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未登記建物を売却や相続で手放す場面では、登記簿には載っていないのに、固定資産税の請求だけは自分のところへ届き続けるという思わぬトラブルが起こりがちです。
とくに富士市では、固定資産税台帳に登録された所有者を基準に課税責任が判断されるため、その仕組みを理解していないと、負担する必要のない税金を支払い続けてしまうおそれがあります。
そこでこの記事では、未登記建物と固定資産税課税台帳の違い、地方税法上の納税義務者の考え方、さらに富士市における課税責任の実務を整理しながら、課税責任者の切り替え漏れを防ぐためのポイントをわかりやすく解説します。

売却や相続を控えている方が、余計なトラブルや税負担を回避できるよう、チェックすべき事項を順を追って確認していきましょう。

未登記建物と固定資産税課税台帳の基本

未登記建物とは、法務局の登記簿に家屋として登録されていない建物のことを指します。
建物そのものは存在し、固定資産税の対象となり得ますが、権利関係が登記簿で公的に公示されていない状態です。
このため、売却や相続の際に、誰が所有者として扱われるのか、どこに情報が登録されているのかを、登記簿とあわせて整理しておくことが重要になります。
特に固定資産税の課税実務では、登記の有無にかかわらず、市区町村が管理する課税台帳が基準となる点を押さえておく必要があります。

固定資産税課税台帳は、固定資産税を課税するために市区町村が作成する台帳で、土地・家屋・償却資産ごとに価格や所在地、所有者などの情報が登録されています。
登記済みの家屋については、登記簿に基づく情報が家屋課税台帳に反映されるのに対し、未登記建物については、家屋補充課税台帳という補完的な台帳に登録されます。
登記簿は所有権などの物権を公示する法務局の公的記録であり、固定資産税課税台帳はあくまで地方税の課税事務を行うための台帳という役割の違いがあります。
したがって、登記簿に建物が載っていなくても、課税台帳に所有者として登録されていれば、固定資産税の対象となり得ることに注意が必要です。

地方税法では、固定資産税は原則として固定資産の所有者に課されると定められています。
ここでいう所有者とは、土地や家屋については、登記簿または土地補充課税台帳・家屋補充課税台帳に所有者として登記または登録されている者を指すと整理されています。
未登記建物の場合は、登記簿に所有者の記載がないため、家屋補充課税台帳に所有者として登録されている者が、固定資産税の納税義務者として扱われます。
したがって、売却や相続などで実際の所有者が変わっても、課税台帳上の名義が切り替わっていなければ、従前の登録名義人が納税義務者として扱われ続ける点を理解しておくことが大切です。

項目 登記簿 固定資産税課税台帳
主な目的 権利関係の公示 固定資産税の課税事務
管理主体 法務局による管理 市区町村による管理
未登記建物の扱い 原則として記載なし 家屋補充課税台帳に登録
納税義務者の基準 所有者の登記名義 台帳上の所有者登録

富士市における固定資産税の仕組みと課税責任

富士市では、固定資産税の賦課期日は毎年1月1日で、この日に家屋や土地を所有している人がその年の納税義務者になります。
所有者の情報や評価額などは、市が備える固定資産税の帳簿や電算処理された台帳に登録され、翌年度の課税の基礎として用いられます。
そのため、売却や相続などで所有者が変わっていても、1月1日時点の登録内容が原則としてその年の課税の根拠となります。
この仕組みを理解しておくことで、未登記建物の所有者変更を行う際の注意点も整理しやすくなります。

固定資産税は、地方税法に基づき、1月1日時点の所有者に課税される地方税として位置付けられています。
富士市の案内でも、毎年1月1日現在に市内の固定資産を所有している人が固定資産税の納税義務者であると示されており、年度途中での売買があってもその年の納税通知書は原則として1月1日の所有者あてに送付されます。
また、賦課期日以後に評価額の修正や資産の申告漏れが判明した場合には、過年度分を含めて追って課税されることもあるため、所有者情報や資産内容を正しく申告しておくことが重要です。
こうした税の性格上、富士市との間で誰が所有者として扱われているかを丁寧に確認する必要があります。

さらに富士市では、固定資産税や都市計画税に関する情報を一元的に管理するため、「固定資産税・都市計画税課税情報ファイル」という個人情報ファイルを整備しています。
このファイルには、土地や家屋の所在、評価額、所有者など、課税事務に必要な情報がまとめて記録されており、市はこれを基に毎年度の課税事務を行います。
未登記建物であっても、所有者として登録されていれば、この課税情報ファイルや課税台帳上の所有者に固定資産税の納税通知書が送られる仕組みです。
したがって、登記の有無にかかわらず、富士市がどの人を所有者として課税情報に登録しているかが、実務上の課税責任を左右します。

項目 富士市での取扱い 所有者側の注意点
賦課期日 毎年1月1日現在の所有者 その年の納税義務者の確定日
課税根拠 課税台帳と課税情報ファイル 登録内容の確認と修正申告
未登記建物 台帳上の所有者へ課税 所有者変更届出と責任の整理

未登記のまま売るときの課税責任者切り替えの重要性

未登記建物は登記簿に所有者が記録されていないため、固定資産税の納税義務者は家屋補充課税台帳などの登録情報で判断されます。
地方税法第343条第1項・第2項では、固定資産税は原則として固定資産課税台帳等に所有者として登録されている人に課されると定められています。
そのため、売買契約で所有者が変わっても、課税台帳の名義が切り替わらない限り、市は元の登録名義人を納税義務者として扱います。
この仕組みを理解していないと、売却後も元の所有者に納税通知書が届き続けるおそれがあります。

固定資産税は、毎年1月1日現在の所有者を基準に課税される年税です。
多くの自治体では、固定資産課税台帳に登録された所有者をもとに、1年分の税額を決定し、同年の春頃に納税通知書を送付しています。
このとき、未登記建物であれば、登記簿ではなく家屋補充課税台帳の登録名義人が「所有者」とみなされます。
したがって、売買だけでは自動的に名義変更とはならず、別途「課税責任者の切り替え」を意識した対応が必要になります。

未登記のまま建物を売却する場合、多くの自治体では「未登記家屋所有者(納税義務者)変更届」などの届出書により、家屋補充課税台帳の名義変更を行う取扱いとしています。
実際に、未登記家屋の所有者変更時には、変更届を市へ提出して名義を切り替えるよう求めている自治体が見られます。
この届出を怠ると、地方税法上の納税義務者は引き続き旧所有者と扱われるため、売却後も旧所有者に納税通知書が届き、買主との間で負担を巡るトラブルに発展する可能性があります。
売却に合わせて、税の名義も確実に引き継ぐという意識で手続きを検討することが重要です。

また、賦課期日である1月1日を過ぎてからその年度内に建物を売買した場合でも、市は原則として税額を按分せず、1年分全額を1月1日現在の所有者に課税する運用が一般的です。
各自治体の案内でも、賦課期日以後に所有権が移転しても、その年度の固定資産税は原則として1月1日現在の所有者に納めてもらうと説明されています。
そのため、売主と買主のどちらがいつまでの期間の固定資産税を負担するかについては、売買契約の中で当事者間の取り決めとして精算条項を設けておく必要があります。
特に未登記建物では、課税台帳上の名義と実際の所有関係がずれやすいため、契約と届出の両面から負担調整の漏れが生じないよう注意することが大切です。

項目 概要 放置時のリスク
課税台帳名義と実所有者 家屋補充課税台帳上の登録名義を基準とする納税義務 売却後も旧所有者への課税継続
課税責任者切り替え届出 未登記家屋所有者変更届などによる名義変更手続 届出漏れによる負担トラブル
賦課期日後の売買負担調整 1月1日基準課税を前提とした当事者間の税負担精算 売主買主間の精算紛争

富士市で未登記建物を売却する前後の実務チェックリスト

未登記建物を売却する前には、まずその建物が登記簿に記載されていない未登記家屋であるかどうかを確認することが重要です。
あわせて、固定資産税課税台帳に登録されている所有者名義と、現在の実際の所有者が一致しているかを確かめる必要があります。
富士市では、未登記家屋の所有権を売買や相続で移転した場合、「未登記家屋所有者変更届」により資産税課家屋担当へ届出を行うこととされています。
過去にこの届出をしていない場合は、売却前に名義の整理を検討することが望ましいです。

売買契約を結ぶ際には、固定資産税と都市計画税をどの期間まで売主が負担し、どの時点から買主が負担するかを、契約書上で明確に定めておくことが大切です。
固定資産税は、地方税法第343条および各自治体の案内にあるとおり、毎年1月1日時点で固定資産税課税台帳に所有者として登録されている人が納税義務者となります。
そのため、賦課期日後に所有権を移転する場合でも、その年度分の納税義務者は原則として1月1日時点の所有者となります。
この仕組みを踏まえ、売主・買主の間で当該年度の税負担をどのように按分し精算するかを、事前に合意しておくことがトラブル防止につながります。

売却後には、未登記建物の所有者が変わったことを富士市に届け出ることが重要です。
富士市では、未登記家屋の所有権が売買や相続で移転した場合、「未登記家屋所有者変更届」を資産税課家屋担当に提出するよう案内されています。
この届出により、固定資産税・都市計画税課税情報ファイルに記録された所有者情報が更新され、翌年度以降の納税通知書が新所有者宛てに送付されることになります。
届出を行わずに放置すると、売却後も旧所有者に納税通知書が届き続け、支払いや立替精算をめぐるトラブルや、滞納に伴う督促などの負担が残るおそれがあります。

場面 確認・対応事項 放置した場合の主なリスク
売却前 未登記家屋か確認・課税台帳名義の把握 実際の所有者と課税先の不一致継続
契約締結時 固定資産税負担期間と精算方法の明記 税負担をめぐる当事者間の紛争
売却後 未登記家屋所有者変更届の提出・相談 旧所有者への納税通知・督促の継続

まとめ

未登記建物は登記簿に載っていなくても、固定資産税課税台帳に名前がある人に課税責任が生じます。
特に富士市では毎年1月1日時点の課税台帳の登録が基準となるため、売却・相続の前後で所有者名義を放置すると、後から思わぬ税負担トラブルになるおそれがあります。
契約前の確認、契約書での負担期間の取り決め、売却後の所有者変更の申請や相談まで、一連の流れを事前に整理して進めることが大切です。
自分だけで判断せず、具体的な状況を踏まえて専門的にサポートしてほしい方は、ぜひ当社へお気軽にご相談ください。

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