不動産買取とは?向いている方や注意点を解説

不動産買取とは?向いている方や注意点を解説

所有している土地や建物を売却する場合、買取業者に不動産買取を依頼する方法がありますが、それはどのような仕組みなのかご存じでしょうか。
不動産買取とは、個人間で不動産を売買する不動産仲介といわれる取引形態と違って、あなたの所有する不動産を買取業者に直接買い取ってもらう売却手法のことです。
不動産を売却する方法にはもう一つ代表的なものがあり、「不動産仲介」と呼ばれていますが、それぞれに違いがあります。
この記事では、不動産買取が向いている方の特徴や、取引の際の注意点にも触れているので、今後の参考にしてみてください。

不動産買取とは

不動産買取とは

まずは「不動産買取」とはどのようなものなのか見ていきましょう。

直接土地や建物を売る方法

不動産買取とは、不動産の買取業者に直接土地や建物を売る方法です。
一般的には、取引の際には販売活動をおこない、買主を見つけなくてはなりません。
そのため、買主が見つかるまでは物件が売れず、現金化できるまでにある程度の時間がかかります。
どの程度の時間がかかるかは一概には言えませんが、買主が見つからないと現金化できないため、長ければ一年以上かかってしまうこともあります。
しかし、買取業者に直接買い取ってもらう場合は、買取業者が買主になってくれるため、販売活動の必要がありません。
さらに、一戸建てやマンションを売却する場合、買主は物件を内見してから購入するか判断するので、内見対応は売主がしなければなりません。
買取業者に買い取ってもらう場合は、そのような手間をかける必要もないのです。
また、買主となる方を探す必要がないということは、買取業者に「仲介」を依頼しなくて済むため、仲介手数料が発生しません。

即時買取と買取保証

買取業者に買い取ってもらう場合、即時買取と買取保証の2種類の中から選択できる場合があります。
即時買取とは、買取業者との交渉が成立すれば、期間を空けずすぐに買い取ってもらえる方法です。
買取業者の営業日によって左右されますが、およそ1週間あれば現金化可能です。
繁忙期の場合は手続きが伸びてしまう可能性があるものの、長くても1か月程度で売却できます。
万が一期間が延びても、仲介してもらうよりも速いです。
保証の場合は一般的な仲介での売却のシステムが一部加わっています。
一定期間だけ仲介での販売活動をおこなって、もし一定期間内で物件が売れない場合は、買取業者と事前に取り決めた価格で買い取ってもらえるシステムです。
長期間物件が売れずに残ってしまうデメリットを解消しつつ、市場価格のまま売却できる可能性を高められる方法となります。
どちらの方法で売るのが適しているのかは一概には言えないため、多くの場合は買取業者と相談して決めます。

不動産買取が向いている方の特徴

不動産買取が向いている方の特徴

では、不動産買取による売却はどのような方に向いているのでしょうか。

すぐに売りたい方

買取業者に直接買い取ってもらう方法の最大のメリットは最短で現金化できる点ですので、土地や建物をすぐにでも売りたい方に向いています。
そのため、さまざまな事情によってまとまったお金が必要になったタイミングで役に立ちます。
たとえば事故に遭った影響で仕事ができなくなり収入がなくなってしまった場合、預貯金を取り崩して生活費を捻出しなくてはならないでしょう。
しかし、預貯金だけで生活をしていくにも限界があり、不意に大きな出費があり、まとまったお金が必要になるケースもあります。
このような問題が発生した際には、すぐに現金が必要になることもあるでしょう。
また、近年では空き家に関する問題が増えており、人が住まないまま長期間放置すると、不法投棄をはじめとするトラブルが増え、近隣住民に迷惑をかけてしまいます。
建物が古いとなかなか買い手が付かないという心配がありますが、買取業者に依頼すれば買い手が付きにくい不動産もスムーズに現金化できます。

転勤・離婚をする方

転勤・離婚をする方にもおすすめです。
転勤する場合、いつまでに引っ越さなくてはならないかが決まっています。
現住所から離れて生活することもあるため、すぐに物件を売却しないと販売活動に支障が出ることもあるでしょう。
買取業者に買い取ってもらい現金化すれば、スッキリした状態で引っ越しをおこなえるでしょう。
また、離婚の際は財産分与が問題になりがちです。
とくに土地や建物の場合、物理的に分け合うのが難しくなります。
そこで買取業者に買い取ってもらい現金化すれば、公平に分け合えるようになるでしょう。

建物が古い場合

建物は築年数の経過に応じて、市場価値が下がります。
築5年と築10年では、市場価値が大きく異なるため、売却した際の価格は築10年のほうが低くなるのです。
そのため、建物は古くなる前に売ったほうがいいとされています。
建物が古いだけでなく、立地や周辺環境がよくないといった条件が重なると、売りに出してもなかなか売れないということも考えられます。
こうした問題が予想される場合は、買取業者に買い取ってもらう方法が向いているでしょう。
買取業者への売却であれば買主を探す必要がないため、いつまでも売れずに残ってしまう心配がなく、すぐにまとまったお金が入ってくるため安心感があります。

不動産買取を依頼する際の注意点

不動産買取を依頼する際の注意点

不動産買取を依頼する場合、以下のような点に注意しましょう。

相場よりも低い売却価格になる

不動産を短期間で現金化できる利便性が高い取引ですが、相場よりも低い売却価格になる点は覚えておきましょう。
物件の状態によってどの程度価格が下がるかは異なりますが、基本的には1~3割程度安い金額での取引になります。
買取業者は物件を買い取った場合、メンテナンスをおこなった後に販売します。
このメンテナンスとは、たとえばリフォームやホームクリーニングなどです。
当然ながらこれらには費用がかかるため、その費用を差し引いた金額を買取価格としているのです。
そのため、不動産買取は、通常の売却相場より安い金額での売却となっているので、できる限り高く売りたい場合は通常の不動産仲介での売却をおすすめします。
売却価格よりもスピードを重視したい場合は、買い取ってもらう方法を選択しても良いでしょう。

買い取ってもらえない場合も

物件状況によっては、取引できないと断られる場合があります。
どのような物件でも買取業者に買い取ってもらえるわけではありません。
たとえば市場価値が低い場所に建物・土地がある、築年数が古く大掛かりなリフォームが必要、あるいはリフォームできないほど建物が傷んでいるなどの場合です。
これらは買い取った後の再販で収益を得られるかが不透明なため、買取業者は買い取るのを避けてしまいがちです。
対策法として、もし断られた場合は他の買取業者に声をかけてみましょう。
買取業者によって得意とする不動産のタイプが違うということもあり、なかには他社で断られた物件を積極的に扱ってくれる買取業者もあるので、すぐに諦める必要はありません。

住宅ローンをチェック

所有する不動産を売却することを考える場合、まずは住宅ローンの残債を確認しましょう。
そもそも住宅ローンが残った状態では、抵当権が抹消できないため売却できません。
ローンが残っていなければそのまま買取業者に相談しても問題ありませんが、もしローンがある場合買取業者に提示された価格でローンの残債を完済できるか計算してみましょう。

まとめ

不動産買取とは、買取業者に直接物件を売る方法であり、買主を探す必要がないため、短期間で現金化できることが特徴です。
そのため、すぐにでも現金化したい、建物が古く買手が見つかりにくいなどの場合に向いています。
ただし、住宅ローンの残債が完済できないと売却できないので、まずは住宅ローンを確認してみましょう。