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空き家特措法改正2024で何が変わる?富士宮市の所有者が知るべきポイント

不動産売却に関して

出石 世一郎

筆者 出石 世一郎

不動産キャリア15年

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2024年の空き家特措法改正により、空き家をめぐるルールや評価の考え方が大きく変わりつつあります。
特に空き家の管理が不十分な状態とみなされる「管理不全空家」や、周囲に悪影響を及ぼす特定空家等への対応が強化され、所有者の責任はこれまで以上に明確になりました。
とはいえ、法改正や関連規約の内容は専門用語も多く、実際にどのような影響があるのか、自分の空き家が対象になるのか、不安を感じている方も少なくありません。
そこで本記事では、改正された空き家特措法のポイントを整理しつつ、富士宮市の空家等対策計画との関係や、管理不全空家と見なされないために今から取るべき実務的なステップを、できるだけやさしく解説します。
空き家の適切な管理と将来の資産保全のために、まずは全体像を一緒に確認していきましょう。

2024年改正空き家特措法のポイント整理

空家等対策の推進に関する特別措置法は、増え続ける空き家が周    辺の生活環境や防災、防犯に与える悪影響を抑えるために、2015年に本格施行された法律です。

市区町村が空き家の実態調査や対策計画の策定を行い、倒壊の危険や衛生上の問題がある空き家を把握し、所有者へ指導や助言を行う仕組みが整えられました。
その後も空き家数は増加傾向にあり、適切な管理や利活用を一層進める必要性が高まったことから、2023年に法改正が行われ、2023年12月13日に改正法が施行されています。

今回の改正では、従来から対象とされてきた「特定空家等」に加えて、新たに「管理不全空家等」という区分が設けられたことが大きな特徴です。
特定空家等は、倒壊の危険が高い、著しく衛生状態が悪いなど、周囲の生活環境に深刻な影響を及ぼしている段階の空き家を指します。
これに対して管理不全空家等は、現時点で特定空家等ほど深刻ではないものの、適切な管理が行われていないために、将来特定空家等になるおそれがある空き家として位置付けられました。

あわせて、所有者に課される管理の責務も明確化され、空き家を「放置しないこと」がこれまで以上に強く求められるようになりました。
具体的には、建物や敷地の安全性、景観や衛生面に配慮し、倒壊やごみの放置、雑草の繁茂などを防ぐための適切な維持管理を行うことが基本的な責務とされています。
国土交通省の調査でも、多くの市区町村が改正法に基づく体制整備や運用を進めており、全国的に空き家対策を強化する流れが広がっている状況です。

区分 主な状態 行政からの主な対応
一般の空き家 概ね適切な管理状態 実態調査や情報提供
管理不全空家等 管理不足で悪影響のおそれ 助言や指導、必要に応じ勧告
特定空家等 危険・衛生悪化など深刻 勧告、命令、行政代執行

改正で変わる税制・評価と管理不全空家への影響

改正空家法では、固定資産税の住宅用地特例の取り扱いが大きく変わりました。
従来は居住の有無にかかわらず、住宅が建っていれば多くのケースで住宅用地特例が適用され、土地の固定資産税評価額は最大でおおむね6分の1、都市計画税は3分の1まで軽減されていました。
しかし、改正後は「管理不全空家等」や「特定空家等」と判断され、勧告を受けたにもかかわらず必要な措置を講じない場合、この住宅用地特例が解除される仕組みとなりました。
その結果、同じ土地であっても、勧告前後で税負担が数倍に増える可能性がある点が重要な変更点です。

管理不全空家に対する行政の対応は、段階的に強まっていく流れになっています。
まず、市区町村が空家等の実態調査を行い、適切な管理がされていないと認められる場合に所有者へ助言や指導が行われます。
それでも改善が見られないときは、空家法に基づく勧告が出され、この時点で固定資産税等の住宅用地特例が適用外となる可能性があります。
さらに重大な危険や生活環境への悪影響が続く場合には、命令や行政代執行へと進み、代執行費用は所有者へ請求されることになります。

このように、空家を長期間放置すると、税負担の増加に加えて、法的なペナルティや費用負担が重くのしかかるおそれがあります。
勧告や命令まで進んでしまうと、改善工事や解体費用に加え、住宅用地特例の解除による固定資産税等の増額が重なり、資金計画が一気に厳しくなります。
そのため、建物の老朽化が進む前の段階で、修繕や適切な管理を行うか、売却・賃貸・解体・利活用などの方針を早めに検討することが大切です。
改正法の趣旨を踏まえ、空家を「持ち続けるだけ」の状態から、将来を見据えた具体的な対応へ切り替える必要があります。

段階 行政からの主な対応 所有者への主な影響
助言・指導 管理方法の改善要請 自主的な修繕・管理検討
勧告 是正求める正式な通知 住宅用地特例の解除
命令・代執行 強制的な除却や修繕 代執行費用の負担

富士宮市の空家等対策計画と改正法への具体的な対応

富士宮市は、「富士宮市空家等対策計画」に基づき、空家等の発生抑制と適切な管理、利活用を一体的に進める方針を示しています。
計画では、空家等対策の特別措置法を踏まえ、地域の安全安心や景観、防災面への影響を重視しながら、市の総合計画や住生活関連計画との整合を図っています。
また、令和5年改正空家特措法により創設された管理不全空家等への対応も位置付け、早期段階から所有者への働きかけを行う体制づくりを進めています。
このように、市全体のまちづくりの一環として、法改正を踏まえた空家等対策が体系的に整理されている点が特徴です。

富士宮市空家等対策計画では、国の基本指針を参照しながら、特定空家等の判断の参考となる基準を示し、構造の危険性や衛生環境の悪化、景観や生活環境への悪影響などを総合的に確認することとしています。
倒壊や落下物の危険がある状態、ごみの放置や雑草繁茂による害虫発生のおそれがある状態などは、周辺の生活環境を損なうものとして、重点的な確認対象とされています。
一方、改正法で位置付けられた管理不全空家等については、特定空家等となる前の段階で、適切な管理が行われていないかどうかを判断することが求められています。
このため、市は現地調査などを通じて実態を把握し、生活環境保全の観点から必要な助言や指導につなげる仕組みを整えています。

富士宮市は、空家特措法に基づき、助言、指導、勧告、命令といった行政対応を段階的に行う手続を定めています。
まず、所有者等に対して現状や課題を説明し、改善内容を示す助言・指導を行い、それでも改善がみられない場合には勧告へ移行する流れです。
勧告を受けてもなお是正されない場合には、命令や行政代執行に進む可能性があり、その際には固定資産税の住宅用地特例の解除など、税負担面の影響も生じ得ます。
所有者としては、市から文書や連絡が届いた段階で放置しないこと、建物の安全性や敷地内の草木、ごみの有無などを定期的に点検しておくことが、重要なチェックポイントとなります。

段階 市の主な対応内容 所有者の確認ポイント
助言・指導 現状説明と改善方法提示 建物劣化状況と敷地管理状況
勧告 是正勧告と期限設定 工事実施計画と費用見通し
命令・代執行 行政代執行や費用徴収 税負担増加と処分方針検討

富士宮市で空き家を持つ人が今すぐ取るべき実務的ステップ

まずは、所有している空き家の現状を冷静に把握することが大切です。
屋根や外壁の傷み、窓ガラスや雨戸の破損、庭木の繁茂やごみの放置状況などを、外観と室内の両方から確認してください。
富士宮市では、管理不全な状態が周辺の生活環境に悪影響を及ぼすと判断されると、助言や指導の対象となる可能性があります。
点検内容を写真やメモで記録しておくと、今後の対策を検討する際に役立ちます。

次に、管理不全空家とみなされないための日常的な管理方法を整理しておきましょう。
具体的には、定期的な換気と通水、郵便物やチラシの回収、庭木の剪定や雑草除去、雨どいの詰まり確認など、継続的な点検と簡易な補修が重要です。
また、長期不在になる場合や自分で管理が難しい場合には、管理を委ねる家族や専門家を早めに決めておくことが、放置の防止につながります。
こうした基本管理を怠ると、劣化が進み、特定空家等に近づくおそれがあります。

そのうえで、空き家の将来像について「売却」「賃貸」「解体」「利活用」といった選択肢を整理し、改正法の内容を踏まえて早期に方向性を決めることが重要です。
周辺への悪影響が懸念される状態になると、勧告を通じて固定資産税の住宅用地特例が外れ、税負担が増える可能性があります。
一方で、適切な管理や利活用、円滑な売却が進めば、こうした不利益を避けやすくなります。
現状の維持か処分かで迷う場合は、相続や資金計画も含めて総合的に検討する視点が必要です。

また、富士宮市では、空き家に関する相談窓口を設け、空家等対策計画に基づき、助言・指導・勧告・命令などの手続を進めています。
所有者としては、近隣からの苦情が生じる前や、市から通知が届く前の段階で、市の相談窓口や公的情報を積極的に活用することが望ましいです。
特に、建物の老朽化が進んでいる場合や、活用方法に迷う場合には、早い段階で専門家と連携し、法改正を踏まえた対応方針を固めることが重要になります。
次の表を参考に、現在の状況と今後の行動を整理してみてください。

確認・相談の段階 所有者が行う主な行動 早期に得られる効果
現状把握の段階 点検と写真記録の実施 劣化や危険箇所の早期発見
管理方法検討の段階 定期管理の体制づくり 管理不全空家への移行防止
活用方針決定の段階 売却等の具体策の相談 税負担増や勧告リスク回避
行政相談活用の段階 市窓口での情報収集 改正法対応の的確な判断

まとめ

2024年の空き家特措法改正により、「管理不全空家」に該当すると固定資産税の優遇が外れ、税負担が大きく増える可能性があります。
放置すれば、助言や指導だけでなく、勧告・命令、最終的には行政代執行など重い対応に進むおそれもあります。
一方で、早めに現状を把握し、売却・賃貸・解体・利活用などの方針を決めておけば、リスクを抑えながら資産として活かすことも可能です。
「うちの空き家は大丈夫かな」と少しでも不安を感じたら、判断を先送りせず、まずは当社へご相談ください。
現状の整理から具体的な対策まで、お客様の状況に合わせて丁寧にサポートいたします。

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