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富士市の不動産登記法改正ポイントは?相続登記義務化の流れも紹介

不動産の法律、宅建業法に関して

出石 世一郎

筆者 出石 世一郎

不動産キャリア15年

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最近、「不動産の名義変更が難しい」「相続手続きが複雑で困っている」と感じている方は少なくありません。2024年4月、不動産登記法が改正され、相続登記が義務化されました。その結果、相続が発生した際には、特定の期限内に登記手続きを行う必要があります。本記事では、富士市における改正の背景や具体的なポイント、手続きの流れなど、知っておきたい大切な情報を分かりやすくまとめています。今後の備えとして、ぜひ最後までご一読ください。


富士市における相続登記義務化の背景と意義

静岡県富士市では、令和6年(2024年)4月1日から相続に伴う不動産の登記が義務化されました。その背景には、所有者不明土地の増加や空き家問題の深刻化があり、管理の行き届かない土地が公共事業や復興事業の妨げとなり、景観や衛生面にも悪影響が生じていたためです。富士市内でも空き家戸数は令和3年度時点で2,228戸にのぼり、市政の重要課題の一つとなっていました。これらの問題に対応するため、義務化により所有者が明確な不動産管理と流通の円滑化を目指すことが目的です。

法改正の内容としては、不動産を相続した相続人は「その取得を知った日」から原則3年以内に登記申請をしなければならないと定められています。また、これまで任意だった手続きが義務化されたことで、過去に相続したにも関わらず登記が未了だった不動産も対象となり、施行から3年後の令和9年(2027年)3月31日までに手続きを行う必要があります。

この義務化により、富士市としては所有者不明土地の減少や空き家問題の改善が期待できます。市民にとっても、不動産の管理責任が明確になることで資産管理の透明性が向上し、将来的な売却や相続トラブルのリスクを低減させるメリットがあります。

項目内容
義務化の開始2024年4月1日から相続登記が義務化
背景所有者不明土地の増加、空き家問題、公共事業への支障
対象過去の相続も含め、未登記の不動産は2027年3月31日までに登録が必要

改正された不動産登記法の具体的ポイント(期限・過料・経過措置)

改正された不動産登記法では、相続登記に関して三つの主要なポイントがあります。

項目内容対象となる期限
申請期限不動産を相続したことを知った日、または遺産分割成立日から3年以内に相続登記が必要知った日または成立日から3年以内
過料正当な理由なく義務を怠ると、10万円以下の過料が科される可能性あり期限経過後、法務局からの催告後に裁判所判断で対応
経過措置改正前に相続した未登記の不動産も対象となり、施行日から3年以内、かつ令和9年3月31日までに登記が必要令和9年(2027年)3月31日まで

まず、相続登記の義務について整理します。不動産登記法では、不動産を相続したことを相続人が知った日から3年以内に登記を行う規定が設けられました。また、遺産分割によって不動産を取得した場合は、成立した日から3年以内に登記しなければなりません。この要件は基本的義務として明確にされています。

次に、期限内に手続きを行わない場合の罰則についてです。正当な理由がないにもかかわらず登記義務を履行しないと、法務局の登記官から催告が入り、それでも対応がなければ裁判所に通知され、最終的に10万円以下の過料が科される可能性があります。

最後に経過措置です。2024年4月1日の施行より前に相続が発生していた場合でも、未登記であれば義務の対象となります。この場合、法改正の施行日から3年以内か、または令和9年3月31日まで(2027年3月31日)に登記を済ませる必要があります。

富士市民が活用できる制度と手続きスムーズ化の方法

令和6年(2024年)4月1日から施行された相続登記の義務化に伴い、富士市にお住まいの方は制度の活用や手続きを円滑に進めることが重要です。以下では制度内容、相談窓口、手続きの簡便化策などを整理してご案内いたします。

制度・手続き内容ポイント
相続人申告登記制度義務化期限内に遺産分割が難しい場合に、「自分が相続人である旨」を登記できる制度仮の登記として義務を履行できる。登記後、正式な手続きを改めて行う必要あり
法務局富士支局への相談登記手続きの相談や案内、必要書類の確認が可能事前に問い合わせや予約をして相談すると安心。所在地は富士市中央町
オンライン手続きの利用法務省が運営するオンライン申請システムにより書類提出が可能事前に必要書類を揃え、オンライン手続き環境を整えると便利

まず「相続人申告登記制度」は、正当な理由があって遺産分割協議による正式な相続登記が困難な場合に利用できます。これはあくまで仮の申告にすぎず、後日、遺産分割に基づく正式な相続登記が必要になりますが、期限内に義務を履行できる安心な手続き方法です。

また、富士市民の方は静岡地方法務局富士支局(富士市中央町二丁目7-7)への相談・案内を活用されることをおすすめします。必要書類の確認や申請手続きの流れを教えてもらえますので、まずは問い合わせるのが安心です。

さらに、オンライン申請の環境が整っている方は、法務省のオンライン処理システムを利用することで、窓口への移動や郵送を省略して手続きを進められます。事前に必要書類を揃え、システムの利用方法を確認しておくと手続きがスムーズです。

:今後の制度拡充・関連制度の見通し

まず、令和8年(2026年)2月2日から、「所有不動産記録証明制度」(仮称)が始まります。この制度では、不動産の名義人の氏名や住所から、全国の所有不動産を一括で調査し、「所有不動産記録証明書」として一覧で取得できます。これにより、相続人が被相続人の所有不動産を漏れなく把握できるようになり、相続登記の準備が格段に容易になります。一覧の取得には、請求者が名義人本人、相続人、法定代理人、委任を受けた代理人に限られますし、取得場所は法務大臣が指定する登記所とされています 。

次に、2026年4月1日から不動産の所有者による住所変更登記または氏名変更登記が、新たに義務化されます。変更があった日から原則2年以内に登記を申請しないと、正当な理由がない限り、5万円以下の過料が科せられる可能性があります。正当な理由としては、行政区画変更、重病、DV被害などが想定されます。なお、義務化前に変更があった場合も対象とされ、改正施行後2年間の猶予期間(2028年3月末まで)内に登記をすれば過料は免除されます 。

下表に、今後の主要な制度とポイントを整理しました。

制度名開始時期概要・注意点
所有不動産記録証明制度(仮称)2026年2月氏名・住所から全国の所有不動産が一覧で把握可能、請求には権限要
住所・氏名変更登記の義務化2026年4月変更後2年以内に登記義務、過去の変更も対象(猶予は2028年3月末まで)
スマート変更登記制度2025年4月下旬受付開始検索用情報を事前に提出すると、法務局が職権で変更登記対応

市民の皆様におかれましては、新たな制度にスムーズに対応するため、まずはご自身の不動産の登記情報をご確認ください。また、スマート変更登記を活用されると、所有者ご自身が登記申請を行わなくても済み、義務違反を回避しやすくなります。手続きには「検索用情報(氏名・ふりがな・住所・生年月日・メールアドレス)」の事前申出が必要で、オンラインで無料に行える点も大変便利です 。

当社では、これらの新制度に関するご相談も承っております。制度の内容や手続きに不安がある方は、お気軽にお問い合わせください。初回相談は無料で対応させていただきます。

まとめ

相続登記の義務化をはじめとする不動産登記法の改正は、土地や建物の所有者を明確にすることで、富士市における空き家や所有者不明土地の解消に大きな前進が期待されています。今回の法改正によって、相続発生から三年以内の登記申請が求められ、正当な理由がない限り過料の対象となるため、これまで以上に早めの手続きが重要となりました。経過措置や新しい制度も整備され、市民が不安なく対応できる環境が整いつつあります。相続や各種登記手続きに不安がある方は、どうぞお気軽に当社へご相談ください。皆様の安心な不動産管理をしっかりとサポートいたします。

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