不動産相続にかかる税金の種類は?計算方法をご紹介

不動産相続にかかる税金の種類は?計算方法をご紹介

不動産を相続した場合、さまざまな税金が発生する仕組みになっていることを知らない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は、どのような税金が発生するものなのか、具体的な種類をご紹介します。
また、税額の計算方法や控除に利用できる制度も詳しくお伝えします。
相続を検討されている方は、ぜひご参考になさってください。

不動産を相続するときに発生する税金の種類

不動産を相続するときに発生する税金の種類

不動産相続が発生した場合、どのような税金がかかるのでしょうか。
以下で種類について詳しく見てみましょう。

登録免許税

相続の際にかかる税金で代表的なのは、登録免許税です。
たとえば、親が亡くなって子どもが土地を引き継ぐ場合、所有者が親から子どもに変わります。
この場合、名義変更が一般的です。
この際にかかる費用として、登録免許税があります。
納付は現金でおこなう流れとなりますが、収入印紙の貼付によって対応することが可能です。
最近では、オンライン申請を利用する方も増えています。
ネットから手続きをする場合は、電子納付の選択肢が増えるため、都合の良い方法でおこないましょう。
現金の場合は金融機関へ出向き、窓口で納付をおこないます。
そのあと、領収書が発行されますが、申請書に貼付して提出する必要があるため、紛失しないように注意してください。
また、収入印紙は郵便局やコンビニなどで購入することが可能です。
基本的には、収入印紙で納付する場合、税額が3万円以下であることが求められます。
しかし、実際には多少超えている程度でも受け付けてもらえるので、心配ありません。
できれば事前に法務局で確認・相談しておくと良いでしょう。
また、手続きについて不明点がある場合も、法務局で尋ねてみてください。

相続税

資産を引き継いだ際に発生する税として、相続税をイメージする方が多いのではないでしょうか。
相続税は、財産の総額が基礎控除額を超えた場合にのみかかります。
したがって、資産を引き継いだからといって必ずしもこの税金が発生するわけではありません。
基礎控除額を超えた場合にのみ課税されます。
相続税の納付は原則として一括でおこなう必要があります。
そのため、まとまった資金を準備しておかないと、予期しない出費に苦しむ可能性があるでしょう。
たとえば、現金を引き継いだ場合は、納付のために資金を残しておくことをおすすめします。
また、納付書の作成や税金計算はすべて自分でおこなう必要があります。
納付書が自動的に送付されるわけではないため、注意するようにしましょう。
納付期限は、資産を引き継いでから10か月以内と定められています。
この期間内に必ず手続きを完了させる必要があります。
最近ではクレジットカードでの支払いが可能となり、支払い方法の選択肢が増えました。
希望する場合は、専用の支払いサイトから手続きをおこないましょう。
ただし、クレジットカードでの支払いには一括払いの上限が1,000万円未満と設定されています。
また、領収書は発行されないため、その点を理解したうえで利用するようにしましょう。

不動産相続の際に発生する税金の計算方法

不動産相続の際に発生する税金の計算方法

具体的に納税額がいくらなのか、心配になってしまうものです。
以下で税金の計算方法を見てみましょう。

登録免許税

登録免許税の計算方法はシンプルで、固定資産税評価額を用います。
この評価額に0.4%をかけることで税額を算出することが可能です。
また、評価額の1,000円未満は切り捨てる必要があります。
評価額は、3年に1回のペースで役場が見直しをおこなっています。
そのため、数年前に確認した評価額が現在と同じとは限りません。
金額が異なれば、当然ながら算出される税額も変わります。
正しい税額を算出するためには、最新の評価額を役場で確認してから計算することが重要です。
評価額の確認は、役場で証明書の発行や閲覧をおこなうだけで済むため、簡単におこなうことができます。

基礎控除額

基礎控除額は、3,600万円に相続人の人数をかけることで算出できます。
たとえば、資産を引き継ぐ方が2名の場合は、3,600万円×2で計算し、7,200万円となります。
この基礎控除額を知ることで、相続税が発生するラインを把握することが可能です。
上記のケースでは、引き継いだ財産が7,200万円の範囲内であれば、税金はかかりません。
基礎控除額は資産を引き継ぐ方の人数に応じて変動するため、その点を考慮するようにしましょう。

相続税評価額

評価額を調べるためには、相続税路線価を使用しましょう。
これは、道路1㎡あたりの価格を示しています。
通常は相続税の算出に用いられています。
土地の評価額は、相続税路線価に土地の面積を掛けることで求めることが可能です。
全国地価マップなどのサイトで相続税路線価を確認してから計算しましょう。
評価額が1,000円未満の場合は切り捨ててください。

控除に利用できる制度とは

控除に利用できる制度とは

少しでも税負担を抑えるためにも、控除に利用できる制度を知っておきたいものでしょう。
以下で詳しく見てみましょう。

相次相続控除

相次相続控除とは、資産を引き継ぐ際の税負担を軽減するための制度です。
土地や建物、現金などを引き継ぐ場合には、税負担が発生します。
親族が続けて亡くなると、さらに税負担が増加する可能性もあるでしょう。
このリスクを軽減するために、相次相続控除の制度があります。
相次相続控除は、相続が相次いで発生した場合に利用できる仕組みです。
具体的には、10年以内に発生した相続に適用されます。
たとえば、父親が亡くなり、その3年後に母親が亡くなった場合に利用することが可能です。
特例として、前回の課税対象となった税の一定部分を、今回の税から控除できる仕組みになっています。

利用要件

利用要件としては、資産を引き継いだ本人であること、前回の資産引き継ぎから10年以内であること、前回に税が課税されていることが挙げられます。
これらの条件を満たさない場合、制度を利用することはできません。
たとえば、10年以上経過している場合にはこの制度を利用して節税することはできませんので、ほかの手段を検討する必要があります。

利用の際の注意点

配偶者控除や住宅資金贈与制度を利用している場合は、控除が適用されません。
これらの場合、そもそも相続税が課税されていない可能性があります。
また、これらの制度は親や祖父母が亡くなった際だけでなく、兄弟間でも利用可能です。
先述した要件を満たす必要はありますが、自分が相続人に該当するかどうかによって変わります。
税金をすでに申告した場合、あとから手続きできるか不安になることもありますが、5年以内であればあとから手続きしても受け付けてもらえます。
ただし、5年以上経過すると手続きができなくなるため注意が必要です。
税金に関する手続きは面倒に感じることが多いです。
しかし、あと回しにすると期限が切れたり、計算方法を忘れたりするリスクがあります。
親族が亡くなるとさまざまな作業が必要となり大変ですが、できるだけ早めに対応するよう心がけましょう。
迅速に手続きをおこない、後々のトラブルリスクを回避してください。

まとめ

不動産を引き継ぐと、登録免許税をはじめとする税金がかかります。
正しく計算すれば、滞りなく納税できるようになるでしょう。
また、制度を利用すればお金の負担を抑えられる可能性があるので、ぜひチェックしてみてください。